第1章「疑惑の占い師」
夜の静けさが支配するワンルームのアパート。その一角、パソコンの画面に映るのは、とあるライブ配信チャンネルだった。画面の向こうには、やや胡散臭い雰囲気を醸し出しながら、水晶玉を撫でる男が座っている。
「みなさーん、こんばんもチャッピーのエセ占い館へようこそ!」
軽快なトーク、流れるような相談対応。視聴者は楽しそうにコメントを送っているが――俺は違った。
「……こいつ、本当に占い師なのか?」
配信を見始めたのは、たまたまだった。SNSで「当たりすぎるエセ占い師」と話題になっていたのを目にして、興味本位で覗いたのがきっかけだ。
最初はただのネタ枠の配信かと思っていた。占いなんてエンタメ要素が強いものだし、本物かどうかなんて誰も気にしないだろう。だが――俺は気づいてしまった。
「なんか…こいつの占い、妙にそれっぽすぎるんだよな」
一般的な占い師は、もう少しあいまいな表現をするものだ。だが、チャッピーの占いはやけに論理的で、的確すぎることがある。それはまるで、データに基づいた診断のような――。
気になった俺は、その配信の内容をメモし始めた。過去のアーカイブも漁り、彼がどんな言葉を使っているのかを研究した。
そしてある時、俺は確信した。
「こいつ、AIを使ってるな?」