チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜 2025/03/13 09:46 Facebookでシェア URLをコピー 報告 チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜第4章「バズる配信、増える依頼」 リサさんの相談が“奇跡的に”的中した翌日から、俺の配信はちょっとしたバズりを見せ始めた。Twitterで誰かが昨日の配信のことをつぶやいたらしい。「エセ占い師の占いが本当に当たった!」なんて面白おかしく書かれて拡散されていた。 おかげで今夜の配信は、開始早々から普段の倍以上の視聴者数になっていた。「えー本日は…おや、たくさん来てますねぇ。皆さんようこそ、チャッピーのエセ占い館へ!」 いつもよりコメントの流れも早い。初見らしきユーザーから「本当に当たるの?w」といった半信半疑の声や、「昨日の占い見ました!すごい!」という書き込みもあった。 俺は内心ドキドキしながらも、占い師のキャラを崩さぬよう振る舞った。「ではでは、順番に占っていきましょうか…!」 正直、昨日一度当たったとはいえ、所詮偶然だ。AIの答えがいつも完璧に当たる保証なんてない。それでも視聴者は期待している。俺は応えなくちゃいけない。 来る相談に次々と答えていく。恋愛運、金運、勉強の悩み、人間関係……。昼間にまとめて届いたメール相談もいくつかあったから、それらも交えて配信で扱った。AIは相変わらずそれっぽい回答を即座にはじき出してくれる。俺はテンポよく配信を進めた。 コメント欄では「当たってます!」「ありがとう!」と喜ぶ声が溢れ、中には「さすがチャッピー先生!」なんて持ち上げてくれるものまで現れた。少し前までひっそりやっていた配信とは思えない盛況ぶりだ。 俺は嬉しさと同時に、言い知れぬプレッシャーを感じ始めていた。 配信を終えると、ぐったりと椅子に沈み込む。画面に表示された視聴者数は過去最高を記録していた。チャンネル登録者も大幅に増えている。「すごいじゃん、俺…」 思わず呟く。だが同時に、胸の奥がチクリと痛んだ。俺は本物の占い師でも何でもない。ただのハリボテだ。それなのに、みんな俺を賞賛している。このままでいいのか?