チャッピーのエセ占い館 ~恋の行方はAIまかせ?~

チャッピーのエセ占い館 ~恋の行方はAIまかせ?~
第3章「AI占い、奇跡の的中?」

 そして迎えた次回配信の日。俺は開始時間より少し早く配信を立ち上げ、音声チェックや画面レイアウトの確認を入念に行った。今日の相談はあのリサさんからの恋愛相談。俺自身いつも以上に緊張していた。

「みなさーん、こんばんは!チャッピーのエセ占い館、開店でーす!」
 気合を入れて挨拶する。視聴者もいつもより多い気がした。もしかすると、リサさんもこの中にいるのだろうか。
 定番の導入トークをこなし、軽い相談を二件ほどこたえたところで、俺はゆっくりと息を吸った。

「さて、本日最後のお悩みに参りましょうか…」
 画面の向こうで多くの視聴者が見守っている気配がする。コメント欄には「次は?」「まだある?」と期待する声。
「実は本日、メールで特別な相談をいただいております。占ってほしい内容は……恋愛について、です」
 俺がそう切り出すと、コメント欄が「恋愛キタ━━━(゚∀゚)━━━!!」とざわついた。恋バナはやはりみんな関心が高い。

 俺は一拍おいてから、相談内容を紹介した。
「視聴者のリサさんという方からのご相談です。『最近、彼氏が冷たく浮気しているかもしれないと不安』とのこと……」
 できるだけ個人が特定されないよう細心の注意を払いつつ、メールの内容を要約して伝える。コメント欄には「それは心配…」「浮気か~…」「チャッピー頼む!」と様々な反応が流れている。

「大切な彼氏さんのことで心を痛めているようです。これは慎重に占わねばなりませんね…」
 俺は胸の前でそっと手を組み、目を閉じるポーズを取った。もちろん裏ではすかさずChatGPTへ相談内容を入力している。今度ばかりは俺自身も結果が気になって仕方ない。

 チャットウィンドウに打ち込まれた文字列:「20代女性。2年付き合った彼氏が最近冷たい。浮気しているか不安。」送信。画面の右側でぐるぐると読み込みサインが踊る。
 それを横目に、俺は「……見えます……あなたの心に暗雲…しかし、真実の光が…」などと怪しげなことを呟いて場をつないだ。内心では冷や汗タラタラだ。頼むぞAI、変なの出すなよ……!

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