《夜明けの幽霊探偵団》第8章:私の願い

《夜明けの幽霊探偵団》第8章:私の願い

透花は柚月と一緒に、自分の記憶を探った。
でも、全てを思い出したとき、透花は気づいてしまった。

(もう、私は……ここにいるべきじゃないんだ。)

真相が明らかになればなるほど、透花の存在は薄くなっていく。
柚月が真実に辿り着いたとき、透花の体は半透明になっていた。

「ねえ、柚月……もう、大丈夫だよ。」

柚月は涙をこらえながら、首を振った。

「そんなの、嫌だよ……! 透花、ずっとここにいてよ!」

透花は、微笑んだ。
「私、ずっと君のそばにいたかった。でもね……。」

「今度こそ、さよならを言わなくちゃいけないんだ。」

そして、透花は消えていった。

翌朝。

柚月は、透花のいた廃屋を見つめていた。
もう、透花の姿はどこにもなかった。

でも、心の中には、確かに透花の存在があった。

(バカ……ずっと友達だよ。)

そう思いながら、柚月は静かに廃屋を後にした。

そして――
空には、透花のように優しい朝日が昇っていた。

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