INFO 🌸九州の美味しい桜肉&「サクラグラシ」のグッズをもらおう🌸【4/2まで】

「うらなイヌッ!」第7章:導くもの

「うらなイヌッ!」第7章:導くもの
●うらなイヌ目線のお話●
※1話と読み合わせるとオモロいです。

ぼくは、犬だ。

どこから来たのか、どこへ行くのか──そんなことは分からない。
でも、ひとつだけ確かなことがある。

ぼくは、“導く者” なのだ。

今日も、街を歩く。

すると、ひとりの人間が目に入った。

──あの人間は、迷っている。

それが分かるのは、長い間こうして人間を見てきたからだ。

黒い髪の女性。
彼女の歩き方は少し不安定だ。心のどこかに「迷い」があると、足取りも揺らぐ。

ぼくは静かにその場に座る。

彼女がぼくを見つけるのを、ただ待つ。

──ほら、気づいた。

「……また君なの?」

ぼくのことを覚えているようだ。

でも、まだぼくが「なぜここにいるのか」には気づいていない。

ぼくは彼女をじっと見つめる。

すると、ポケットの中の”光るもの”を取り出した。

それは……“つながり”の証。

ぼくは目を細める。

彼女はこの後、その”つながり”に再び触れようとする。
でも、それが本当に正しいのかどうか、まだ分かっていない。

ならば、ぼくは示すだけだ。
どちらへ進むのかは、人間が決める。

ぼくは静かに立ち上がる。
彼女の足元で、わずかにしっぽを揺らす。

それは、“行ってみるといい” という合図だった。

コメント