「おまじないベーカリー」第7.5章 02/08/2025 01:21 Share on Facebook Copy URL Report 「おまじないベーカリー」第7.5章慌てて顔を両手で覆う。(そんなわけない!)だけど、一度気づいてしまった気持ちは、もう止まらなかった。次の日の朝。ミアはいつも通りにパンを焼きながら、心の中でソワソワしていた。(昨日のこと、考えすぎかな……)そう思いながらも、ルイが店に入ってくると、無意識に頬が熱くなる。「おはよう」「お、おはようございます!」なんだか今日は妙にぎこちない。「……なんか、変だな」「へ、変じゃないですよ!」ルイはじっとミアを見つめた後、ふっと小さく笑った。「ならいいけど」ミアは内心ドキドキしながら、いつものクロワッサンを袋に詰める。(落ち着け、私!いつも通りでいいんだから!)だけど、ルイが袋を受け取る瞬間、指先が少し触れた。その一瞬で、心臓が大きく跳ねる。(……やっぱり、これって)ミアは心の中でそっと願う。「この気持ちが、優しいままでありますように」そして、ルイの後ろ姿を見送りながら、小さく微笑んだ。