秘密の手のひらフォーチュン第二章 2025/01/25 08:54 分享到Facebook 複製URL 檢舉 秘密の手のひらフォーチュン第二章《てのひらに映る運命》次の日から、小鳥遊リカは「てのひら占い館」の見習いとして働き始めた。店は午後から開くため、学校が終わった後に訪れることになった。占い館には不思議な静けさがあり、まるで時間の流れが外界と違うように感じる。「まずは簡単な仕事から始めましょう。ここにある本を整理してくれる?」レイが示したのは、占いに関する膨大な数の古書だった。リカは最初こそ戸惑ったが、少しずつ興味を持ち始める。手相の見方や歴史、運命論などが書かれた本を読みながら、「占いって奥が深いんだな」と感心する。そんなある日、占い館に最初の客が訪れた。中年の女性で、少し疲れた様子をしている。「すみません……最近、仕事でうまくいかなくて。これから先、どうすればいいのか分からなくて……」レイはいつもの静かな微笑みを浮かべながら、女性の手を取った。そしてじっと手相を見つめる。「あなたの手には、努力の線が刻まれているわ。これまでずっと頑張ってきたのね。でも、ここに交差する線がある……近いうちに、大きな変化が訪れるでしょう。それがあなたにとって、再出発のチャンスになるわ。」「再出発……?」女性は戸惑いながらも、どこか安心した表情を浮かべた。その後も、レイは優しく女性に助言を送り、女性は感謝しながら帰っていった。リカはその様子を見て、胸の奥が温かくなるのを感じた。「ただ未来を教えるだけじゃなくて、その人がどう生きるかを考えさせるんですね……」「占いは道を示すだけ。選ぶのはその人自身よ。でも、時にはその背中を押してあげることも大切なの。」レイの言葉を聞きながら、リカは占いに対する興味がどんどん膨らんでいく。新たな出会いそんなある日、幼なじみの藤堂悠真が店を訪れる。悠真はいつもと違って浮かない顔をしていた。「悠真?どうしてここに?」