筑前琵琶で奏でる羅城門の鬼 2020/10/11 08:24 Share on Facebook Copy URL Report 筑前琵琶で奏でる羅城門の鬼琵琶といっても大きく分けて五弦琵琶・樂琵琶・平家琵琶・盲僧琵琶・唐琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶などの種類がありますが此方は筑前琵琶です羅城門の鬼(羅生門の鬼ともよばれます)は平安京の正門・羅城門に巣食っていたといわれる鬼で室町時代の謠曲『羅生門』などに登場します話しの内容は源頼光が酒呑童子を討伐した後に自分の屋敷で頼光四天王と平井保昌とともに宴を催していたところ平井が羅城門に鬼がいると言い出したのを切っ掛けに四天王の1人・渡邊綱は王地の總門に鬼が住む謂れはないと言い確かめるために鎧兜と先祖傳來の太刀で武裝して馬に乘り從者も從えずに1人で羅城門へ向かいました九條通に出て羅城門が正面に見えてきた頃に急に激しい風に見舞われて馬が動かなくなり綱が馬から降りて羅城門へ向かうと背後から現れた鬼に兜をつかまれましたすかさず綱が太刀で斬りつけたのですが逆に兜を奪われてしまい綱の太刀と鬼の鐵杖が激しくぶつかり合った末に綱はついに鬼の片腕を斬り落としました鬼は「時節を待ちて、取り返すべし」と叫んで空を覆う黒雲の彼方へ消えて行ったということです『平家物語』劍の卷にある一條戻橋の鬼の話では綱が鬼の腕を斬り落とす場面の舞臺は一條戻橋でこの後に鬼が綱の乳母に化けて腕を奪い去るとあります謠曲『羅生門』は『平家物語』で綱と鬼との戰いまでの話をもとに舞臺を一條戻橋から羅城門に變えて創作されたものとされいてその後の鬼の報復の話は謠曲では『羅生門』とは別作品の『茨木』になっていますこのことから別々の鬼である羅城門の鬼と茨木童子がしばしば同一視されることがあります